AI着色をテストしつつ自分の描き方も晒してみる
しばは絵を描き続けていますが、会社員なので普段は仕事です。
実は会社の仕事以外でも他に仕事してるので、その合間に描いたりツイッターで呟いてます。
何が言いたいかっていうとクリエイトの時間が短いんです。
ティラノサウルスの腕みたいなもので、本体と顔ばっかり大きくて「その手じゃなにも掴めないのでは」と言いたくなるくらい短いです。
一説にはティラノサウルスのこの短い爪が役に立っていたようなので(実は超強力な武器だったらしいですよ)、きっと私の短い製作時間も強い武器に…! 一服の清涼剤になるような漫画やイラストをあっという間に描く…というのは難しいです。
それなりに綺麗に描けないこともないんですが、効率悪いので描いてない
=それは描けないのと同じこと
今までも時短をテーマに描きながら模索していました。
お気づきの人もいると思いますが、しばの描き方が一定していないのはその為です。
そんな中、今はAI着色に注目しています。
というのも大日本印刷曰く「AI着色を導入すれば人だけの着色の半分の時間で済む」とのこと。
ほんまかいな、と思いつつ何事もチャレンジです。
今までとの比較という意味もあるので、まずは従来の描き方も晒しながらつらつらと書いてみました。
AI着色前 普通に人の手だけで描く手順
先に完成形を。
以前に書いた記事に当てたイラストです。
こやつを分解してゆくと、こうなります。
手順1 最初にラフを適当に描く
資料とか見ながらラフ描くんですが、適当すぎてオタマが不自然なのがしば的というかなんというか…すみません、いい加減すぎました。
左手に持たせて上下を逆にして、よくある「小皿で味見するアレにしよう」と。
手順2 修正しつつペン入れします
線の色を若干茶色にしてからベクターレイヤーで書き始めます。
一部の線が重なったまま不自然ですが、簡単に消しゴムツールで片方だけ消せるので、気にせず描いちゃいます。
ここがデジ絵の便利なところで、ベクターレイヤーなら線の移動もへっちゃらなので修正しやすいのです。
もっともこの機能にばかり頼ると「本来の絵を描く能力」が衰えてしまうことを危惧しています。
この辺りのお話もまたいずれ記事にできればと。
手順3 着色レイヤーの追加と柄の貼り付け
ここからがAI着色に頼ることになる部分ですので本当の比較ですね。
人の手だと、まず髪、肌、衣服、などをレイヤー分けしてから、それぞれに下地を塗っていきます。
そこに濃い色と薄い色、ハイライトなんかを追加していくわけですが、この段階で「アニメ塗りにしよう」とか「厚塗りにしよう」とか大きく好みが分かれます。
加えてエプロンに柄つけようとか面倒なことを考えると、歪ませて貼り付ける作業が待っています。
クリップスタジオ(以下、クリスタ)なら柄はこのようにダウンロードできたり、標準で用意されたものがあるので選びます。
ここで
「ウホ! 豹柄のエプロン造れんじゃん、萌えるー!」とか言ってると変態度が上がるので控えます。
好きですけどねそういうの。
柄を選んだら色調を補正してベクタライズ。
ベクターレイヤーになってしまえばいかようにも変形できます。
クリスタなんかでいうところのメッシュ変形の機能ですね。
編集 > 変形 > メッシュ変形
の部分にあります。
AIではさすがに柄まではどうにもならんでしょうから、ここは時短できないですね。
この変形の点(正式名称良く分からないです。作用点?)をちくちくと移動させてゆくわけですが、マウスでやると凄く時間がかかります。
マウスで絵を描くのに慣れているしばも、この作業に関してはペンタブで済ませます。
手順4 塗りまくる
とにかく塗る。
「やあっぱー、こういうフワっとした髪がいいんだよねぇ ♪」などと調子に乗って描いてると着色の塗り残しが発生しやすい面倒な髪型になります。
塗りつぶしツールだけで済むようなことはないので、マーカーなんかでガシガシと。
色を重ねていき…確かこの時は油彩平筆なんかを使ったと思う。
塗り終わったら背景にテクスチャを貼って色調補正して…完成。
しばのレベルでは絵師として伝えられるほどのものは大してありません。
いわゆる “フツーの描き方” ですから。
で、本番はここから。
線画から後の着色作業をAIに任せてみるとどうなるかと言いますと…。
AI着色のテスト1
『PaintsChainer』を開きます。
このサイトは「AI着色」なんかで検索すると一番上の方に出てきます。
絵描きのコミュニティであるpixivが協賛している機能のようで、今流行りの機械に深層学習(ディープラーニング)させて数多くの着色方法を学ばせたのだとか。
自分なりの塗り方を覚えこませることができれば更に凄いのでしょうが、ログインしてのアカウント管理はしていないので、そこまでのサービスではないようです。
さっそく手順2で出来ているペン入れ状態の原稿をここのサイトにドラグ&ドロップしてみます。
すると…。
こういう画面になります。
パターンは3種類ですね。
テスト1パターンa:かんな
テスト1パターンb:さつき
テスト1パターンc:タンポポ
うーん…。
このままじゃとても使えないレベルの着色ですが、人が手を加えて使えるかもしれないかなという感じでしょうか。
別のイラストも試してみました。
例えば。
AI着色のテスト2
こんなのを放り込んでやると…。
テスト2パターンa:かんな
おぅ…。
唇の着色だけは認めよう。
テスト2パターンb:さつき
…。
テスト2パターンc:たんぽぽ
近遠を分けて遠くのものと判断した部位を黒っぽくするよう学習しているようです。
さつきはこの近遠の使い分けがあいまいな分、髪の毛なんかも全部同じような色合いになるわけですね。
面白いですし、一部だけ見れば綺麗に塗れるのでしょうが安定して全体を塗れているわけではないので、これを実用できるかというと…「使えんだろこんなの」
バッサリ切ってしまいたいところです。
ですが、大日本印刷のように活用している人はいるわけですよ。
ということはどこかに活用法があるはず。
AI画面内で着色指定することもできますが、それを普通にやったところで良い感じにはなりませんでした。
逆に線をまたいで色がはみ出てしまい凄いことに…。
今の段階ではAI着色にはまだまだ研究の余地ありです。
もう少し可能性を模索してみます。
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