徒然なるままにお絵かき候

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ALPACA

AI着色でなんとかしようと試行錯誤したらこうなった

さて、前回に続きましてAI着色のテストを重ねています。

ですがなかなかうまくいきません。

 

 

色々と試しているのですが、一番苦手としているのがゴチャゴチャと描かれている漫画的なもの。

例えば先日描いた4コマ(実際には5になった)を線画だけにして放り込んでやると…。

 

AI着色のテスト 漫画を試してみる

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元はこれなんですが、以下が結果。

テスト3パターンa:かんな

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テスト3パターンb:さつき

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テスト3パターンc:たんぽぽ

f:id:shiba-kaito:20181021153640j:plain

これに吹き出しや背景を組んでもお話にもなりません…。

しかし、大日本印刷の手がける漫画はちゃんと着色されています。

これはどういうことかというと、日本の漫画はモノクロが基本ですが、海外ではほとんどがカラーです。

元々、海外進出を狙って商用的に造られたものですから、海外ウケするようモノクロからカラーに移行したかったようです。

移行に役立つフィルターのようなAIを開発した、ということですね。

ってことは…この子もそうだろうか?

テストします。

 

AI着色のテスト4 モノクロに落としてから着色させてみる

まず、最初のテスト1をわざとモノクロに落とします。

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書き出し設定の表現色を普段は最適な色深度を自動判別からグレースケールへ。

要は同じ環境を整えてやれば良いわけです。

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こんな感じに。

その上でAIに放り込む。

すると…。

 

テスト4パターンa:かんな

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テスト4パターンb:さつき

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テスト4パターンc:たんぽぽ

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さっきよりはましになったかな、という感じでしょうか。

モノクロ原稿を描くことに慣れててカラーが苦手という人には良いかもしれませんが、それでも実際にコミケやプロの世界で通じるものではないでしょう。

例えば、これをAIによる着色として考えるのではなく、フィルターとして使うと考えればどうでしょう。

着色されたものを乗算レイヤーとかオーバーレイにして生原稿に重ねて出力すると面白いことになるのではないでしょうか?

更にテストします。

 

AI着色のテスト5 テスト4の重ね合わせ+調整

先ほど出力したテスト1のたんぽぽとさつきを乗算と焼き込みカラーあたりのレイヤーとして重ねます。

そのままじゃ濃すぎるので、それぞれの%を下げて調整。

線がぼやけすぎてしまうので、ペン入れレイヤーを上に乗せます。

背景と分離、背景に白抜きのレイヤーを重ねて整えます。

若干のぼやけ具合を残したかったので白抜きの範囲を10ドット少なめに。

するとどうなるか…。

 

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うん…。

今までの自分の着色ではなかった感じにはなった。

そういう意味では新しい扉が開けたのかもしれない。

このままで漫画の中に登場させても問題なさそう?

けどさ。

凄まじく手間がかかります!

時短のテーマを真逆に突っ走る結果になりました。

そもそも一度着色したのを着色し直させる手順が本末転倒です。

テストだからあえてやりましたけど。

「似たような効果を出すなら色調補正レイヤー重ねてフィルタリングすればいいじゃん」という意見が聞こえてきそうです。

しかし、これをAIでやることに意義があるのです。

新たな味造りに挑戦するシェフが、およそ使うことのないような食材と調理器具を使おうとしているようなものでしょうか。
「記念すべき第一回目の食材はマンドラゴラ。調理器具はダイエットマシーン。一体、どんな新しい料理ができるのでしょうか」とかいうアナウンスが聞こえてきそうです。

およそ組み合わせられないものを無理やり整えた感のある記事になってきましたが…。

原点に帰りましょう!

時短なんです。

今回のテーマは時短であって新しい絵柄や画力アップではありません。

時短でなんとかするのですから、さっきのテストをパパっと白黒に軽く塗ってみます。

 

AI着色のテスト6 モノクロから短時間着色に挑戦してみる

10分でモノクロ的に塗ってみる。

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まあ、簡単にやっつけで済ますならこんなもんでしょう。

んで、これをAIサイトに放り込む。おりゃ。

 

AI着色のテスト6 かんな

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AI着色のテスト6 さつき

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AI着色のテスト6 たんぽぽ

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相変わらずですね。

でも今までの線画だけのに比べれば、顔の陰影が白黒原稿によって出ている分、まだいいでしょうか。

そして、ここで今まで避けていたAI側に着色指定をしてみます。

AI着色のテスト6b 着色指定してみる

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ちょびっとずつの塗りでも広範囲をドバッっと塗るので少しずつ指定します。

AIは境目の認識があいまいです。

そうかと思えば、顔と腕の間の空間は距離が近いこともあってか、背景となる白を多く入れてもなかなか塗ってくれません。

そんなこんなで20分後。

できたのがこちら。

AI着色のテスト6b モノクロ原稿⇒着色指定後のかんな

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一番、相性のいい「かんな」でのみ。

他はもう話になりませんでした。

髪の毛の緑をもっとちゃんと塗りたかったのですが、塗れば塗るほど腕の肌色を侵食してしまってデスラー状態になってしまいますので、ここまでが限界です。

どのように指定しても耳は緑になっちゃうし、ネクタイの赤も周りに塗ってるし…。

ここまで一時間もかかっていませんので早いっちゃ早いのですが、もうちょっとなんとかならないものかと…。

ここで気がつきました。

もし、指定するのをAI画面からではなく、クリスタ側からしてみたらどうだろう?

つまりですね。

白黒にほど近い薄~い色合い20%くらいで凄く大まかにだけ着色するのです。

AIの特徴はちょっと指定してドバっと塗るので、境界となる線から離して色を塗ってやれば、ほどよく仕上がるのではないでしょうか。

試してみましょう。

 

AI着色のテスト7 クリスタ側から色指定してみる

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塗りつぶしツールの「領域拡縮」の数値をマイナスにします。

この数値がマイナスになればなるほど囲った線から離れて着色できます。

最大-20まですると小さな部分が塗り潰せないので、そこは要調整。そうして塗った状態がこちら。

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これを20%まで薄くしたものがこちら。

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これをAIに着色させまして…さあどうだ!

 

AI着色のテスト7 かんな

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ORZ…

駄目っす、全然だめ。

色が黒くなるばかりで指定したつもりでできてない。

衣服や瞳はまあいいかもしれませんが、肌色が絶望的でしょう。

さつきも似たようなもんでした。

唯一、たんぽぽが…

 

AI着色のテスト7 たんぽぽ

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衣服の色がネクタイの色と交換されてますが、ちゃんと塗り分けていますので悪くない感じです。

では、これに背景を白抜き処理だけして、さっきと同じようにペン入れレイヤーを上乗せしてやりましょうか。

するとこうなります。

 

AI着色のテスト7改 クリスタ側からざっくり薄く着色 ⇒ たんぽぽ+調整

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…お。

悪くないですね。

ようやく、「ほぅ!」という感じになってきました。

もっとも、カラーリングが統一した色調になってしまっているので、一歩間違えるとセピア色のフィルターかけたのかと間違われそうです。

でもセピアとは違いちゃんと赤系は出ているので、これはこれで味があって良さそうにも思えます。

最後のテストも早くて一時間かかっていません。

目的としていた時短は達成したかと。

問題は、これを数多くこなせるよう実戦レベルまでクオリティを引き上げられるかどうかっていう話になってきます。

最終的にはゴチャゴチャした漫画内に入れても活用できるくらいまでにしないといけませんが…それはまた別の機会に記事にしましょう。

まだまだAI着色の課題は多そうです。

今回はここまで。

 

※今回のテストはここまでですが、何かしら良い活用法やアイデアをお持ちの方、おられましたらツイッターにリプでも記事にコメントでもいいので一言頂けると嬉しいです。

今後も色々と試そうと思います。

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