徒然なるままにお絵かき候

お絵かきブログです (*゚∀゚)っ

ALPACA

ようやく手に入れたソフト『SAI』と絵描き道具

前回までをお読みでない方はいますか?
私の黒歴史…ペンタブが使えず、ソフト選びで失敗、数々の謎修行が赤裸々に書いてありますので、ぜひご覧下さい。

 

 

 

読んで下さった方。
ついに、しばにもまっとうな絵を描ける日が来ました。
この素晴らしき日々を書きますよ!
誰ですか、他の修行が知りたいとか期待している人は…

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運命の出会いは唐突に

10年ほど前に苦しみもがいた結果、
「自分には絵を描く才能はないのではないか」という根本的な結論が見え隠れしてきました。

努力を重ねたところで、方向性が違っていれば望む結果が手に入らないということも、遅ればせながら学びました。
選ぶソフトが悪ければやりようがないということも。

そして、「ソフト“D”で駄目なら、他のソフトを使っても同じなのでは?」という思い込みがありました。
お絵かき関連の書籍は、すべからくペンタブを使う人たちの描き方ばかりで参考になりません。
身近な友人にデジ絵を描いている人もいませんので、比較のしようもありません。
まさに八方塞がりでした。

デジタルどころか、絵を描くこともやめてしまおうかと考えていたある日、見かねた友人が出所不明の情報を教えてくれました。

「どうやら『SAI』というソフトが人気らしいよ」

さい?
変な名前です。
ダウンロードソフトでした。
謎の修行で最もレベルが上がった疑心暗鬼スキルが発動し、このパッケージがないソフトを怪しく感じていました。

「このソフトもペンタブありきに違いない。そして、僕はまた荒行による曲芸を身に着けるんだ…そうに違いない。今度は何だ。滝に打たれながらマウスを1秒間に18連打か? マウスポインターを念動力で動かすのか?」

しかし、書店に並ぶ書籍を見ていて気づきます。
未だに『Photoshop』関連が多いものの、『SAI』での描き方について解説している本が一定数確保されていたのです。

絵描きソフトといえば定番でもあった『Photoshop』の時代は2000年代の半ばまで。
WindowsもXPからVistaに変わり、エアログラス機能で透けたウィンドウを見ては「凄いなあ」と関心したのが2006年から2007年にかけてでした。

同じ頃、『Photoshop』から他のソフトへ、デジ絵ライター達の大移動が始まっていたのです。

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この民族大移動が何を意味するのか。
アドビ社製で分かるように、元々マッキントッシュ用に開発された経緯もあり、未だに「フォトショ=マック」のイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

当時、すでにPCシェアの大部分はちょくちょく独禁法が適用されるほどマイクロソフトが握っていました。
ひょっとしたらウィンドウズで、フォトショ並みのソフトをと望むユーザーが多かったのかもしれません。

何しろ『SAI』は安くダウンロードできる上に、ベクターもラスターも用意されており、徹底的に“描く”ことに特化したソフトです。

もちろん、安いといっても私にとっては大きかったのですが、このまま出口の見えない職人芸を続けたくはありませんでした。
極めてしまった日には、パソコンがまともな形をしていない可能性も高いです。

神に祈りながらのダウンロード。
これが私にとって、デジ絵の基点であり、出発点となったのです。

 

ラビリンスからの脱出 -新たなる描画方法-

線が思ったように引ける。
ただそれだけのことに、これほど感動したことはありませんでした。

なにしろ、AからBまで線を引いては、制御点をドラッグして曲げればいいだけですから、直線も曲線も思いのままです。
本来は、『SAI』もペンタブでの活用を目的に作られています。
手ぶれ補正機能やベクターストロークなどの描線機能に特化しているのはそのためです。

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マウスの座標に依存しないタブレット描画が可能に造られてもいますが、皮肉にも開発目的に反してペンタブに頼らなくてもマウスで描ける機能も有したソフトでもあったのです。
ペンタブ破壊王の私にしてみれば、奇跡の出会い、まるで別世界でした。

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欠点というほどではありませんが、使いにくい部分はありました。
ペンタブで勢いよく線引きができない分、描く速度は遅いのです。
一枚描くのに2週間ほど。
今まで一ヶ月かけて「奇怪なもの」「名状しがたいもの」しか描けなかった頃よりは遥かにマシですが、さすがに効率が悪すぎます。

何とかならないものかと思った場合、これまでは後戻りできない迷走をしてきましたが、落ち着いて調べてみました。
『SAI』の解説本で気がつきます。

書籍でもペンタブを使うことが基本と紹介されていましたが、描く人達はペンタブの端にあるショートカットボタンを利用するようです。

なるほど。

要は、ショートカットを記憶させるユニットがあれば、それだけで速度が上がるはずです。

この頃になると、マイ経済状況も好転してきていたので、ゲーム用のコントローラーを買ってみました。
そうです、コマンドユニット。
ゲーム用左手キーボードとの出会いです。

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コマンドユニットの凄まじい使い勝手

コマンドユニットにも色々ありますが、これに関しては選んだものがいきなりの当たりでした。
Saitek社製の『Cyborg Command Unit』です。
すでに販売停止となっていますが、私は今でも名機だと思っています。

当時、たまたま立ち寄ったパソコン店に置いてあり、液晶ペンタブレットほど高くもありませんでした。

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さっそく『SAI』に使っていたショートカットを記憶させ、マウスで引いては修正、また引いてを繰り返します。
今までとは比べ物にならないほど素早く、一枚を描くのに一週間以内で描き終えるほど短縮されました。
これがデジ絵で“描ける”ということなのだと感動に打ち震えます。

マウスで台形を書いて、波線を横に一本…富士山♪ おー♪

もはやMS-DOS3.1時代かよ!というレベルにまで低空飛行していた私は、開国したのです。
鎖国をやめたのです。
王政復古の大号令ですよ。
黒船バンザイ!
もう幕藩体制でつらい年貢を納めずとも良いのです。
散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がするってネ♪

<いや、ちょっと待った>

左手でのコマンド入力が可能になったから速度が上がったのです。
ということは、右手でも使えるコマンドが増えれば、さらに早くなるのではあるまいか?

そう考えて、再びパソコン専門店に向かいます。
ひとつうまくいけば、こんなものかもしれません。

この頃になると、私はパソコンのことが好きになっており、ジャンク屋で安い部品を拾ってきては組み替えて遊ぶようになっていました。
箱に入っているパーツなど見向きもせずに、プチプチに梱包されたバルクを漁っていたものです。

10年前と言えば、秋葉原は今ほど整備されておらず、すでに「萌え」文化が蔓延していましたが、裏通りに行けば何の店なのかさっぱり分からないというアンダーグラウンドな雰囲気が生きていました。
思えば、こういう場所に通う遠回りがあったればこそ、販売員としての技量が身についていったような気もします。

閑話休題

ともかく、ゲーム用に開発されたデバイスは、一瞬の判断をゲーム画面に伝えるため、即応性を最大限に発揮する造りになっているのが特徴です。
それが絵を描く速度にも重要な役割を果たしてくれていたのです。

それなら、多機能なゲーミングマウスを使えばどうだろう?

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※この辺も当時マウスで描いたものです。

右手と左手でそれぞれ記憶させたショートカットコマンドを組み合わせながら、ひたすらクリックしていく描き方。
これが、しばの辿り着いたマウスで描けるスタイルでした。

もっとも、このスタイルに辿り着いても幾つかの欠点は残りました。
一通りの失敗はしていますので、私と似たスタイルで描く方、描きたいという方がおられましたら、次の記事も是非、参考にして頂ければと思います。

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ソフト選びで底なし沼に『Clip Studio』への道

パソコンにおける黎明期を過ぎる頃、ペンタブがまだ高額で、購入した安価モデルを使おうとあがいてもがいて失敗が続きました。
それでも試行錯誤はやめません。

 

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絵描きソフトをどうするか

絵師にとって、作品を表現するソフトをどれにするかは、ペンタブ選びと同じくらい重要な要素です。
今でこそ『Clip Studio』に落ち着きましたが、当時のセルシス社はまだ有名ではありませんでした。

本屋に行くと、デジ絵の参考書としてずらりと並んでいるのは『Photoshop』。
8割方は「フォトショ」で、使っていなければモグりと言わんばかりでした。
当然、その時期のスタンダードだと知れば購入を考えたくなります。

しかし、鬼のように高いのです。

小型の液晶ペンタブレットはローエンドのパソコンより高いくらいでした。
ハイエンドパソコン並みの高額ソフトで、その代表格が『Photoshop』なのです。
断言するのも悲しいですが、はっきり言って資金はありません。

月額契約制となるずっと前の時代の話ですから、当然『Photoshop』は初回購入版だけでした。

「お試しで一ヶ月だけ使ってみよー」
などというユーザーフレンドリィなサービスはなかったのです。

他のソフトも同じです。
お試し版ダウンロードが用意されていないのは、ほぼ当たり前でした。

描いてみないと、使ってみないと分からないのです。
パッケージの説明文だけを読んでも、自分に合うソフトなのかどうかはさっぱり分かりません。

一か八かソフトを買って試す。
それが当時の基本スタイルでした。

「ペンタブを魔改造して、使い物にならなくした私」

にとって、ソフトの購入もデッド・オア・アライブです。

ちなみに、Windowsにプリインストールされていたペインターソフトにはレイヤー機能がないので話にならない事くらいは分かっていました。
Photoshop』が主流なのは確実なので、その描き方を踏襲できる…ってかもうほとんど一緒のソフトであれば、わざわざ高いソフトにする必要などないのだと考えました。

最近、引退した方じゃないアムロが絶対に乗らない「ガンガル」から、トレフォイルでもなければスポーツパフォーマンスでもないニワトリの足跡的なロゴの「アビダス」まで、それっぽければ、それでいいんじゃい!

という層は、必ず存在しますので、昔からパチモノってなくならないんだと思っています。

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もっとも、ソフトは「用途が同じ」というだけで、決してバッタモンではありませんが…。

しかし、ここにも落とし穴がありました。
気づいたのは、ずっと後のことです。

 

安価ソフトはまさに底なし沼

当時の私の正直な感想は、「どのソフトが良いのかまったく分からない」です。
イラストレーターの知り合いでもいれば別でしょうが、デジ絵描き自体が珍しい時代でした。

いつものように様々な考察を、あらゆるベクトルにこねくり回して迷走した結果、「あるソフト」を手に取りました。
ソフト名はここでは控えます。

私は絵描きである前に販売員なので、特定商品のマイナス面を語るのは厳禁だと思っています。

というわけで、このソフトを「D」と呼びます。
パッケージは素晴らしく、綺麗なイラストが描かれたものでした。
説明を見る限り、レイヤー構造もきちんと重なっています。

「これなら同じ描き方ができる!」

どうです。
奇妙なメットの赤い人に話しかけれたら、迷わず答えますね。

クソ高いソフトなどいらんのですよ。
名が知れてるなんて飾りです。
上の人にはそれがわからんのです。

それはともかく、魔改造でペンタブを潰してますから、その失敗を取り返したいとも思っていました。
ソフト側でカバーできるかもしれない…という淡い期待もありました。
初期段階で失敗している時点で、もう取り返しなんかつかないわけですから、すでに負のスパイラルに片足を突っ込んでいると思った人もいるでしょう。

違います!
ふつーに罠だったのです。
片足どころか両足突っ込んでます、底なし沼に。

実はこのソフト、ラスター構造のレイヤーしか用意されていませんでした。
ベクターがないのです。
『Clip Studio』に慣れている人にしてみれば驚かれるかもしれません。

デジタルで絵を描かない人にはさっぱりですよね(汗)

筆で色を“塗っていく”ペイント機能があります。
これが、「面に効果的なもの」がラスター機能であるのに対し、“線を引く”ドローイングはベクター機能が向いています。
一度、引いた線を歪ませたり、太さを変えたりできるからです。

拡大縮小、時には反転しながらバランスを見て、線の位置を微妙に補正し、時には線が交差した部分までを一度に消すこともできます。
はっきり言ってしまえば、デジ絵が描きやすいのはこれらの機能があるからこそです。

そして、絵画のような描き方、全て塗る方法で描くことなど、多くの絵師さんはそのように描いていたりもします。

描けるのですよ、ペンタブがあれば。

ええ、そうですとも。
ペンタブが使える人にとってはね。

ラスターで塗るように線を引けば良いので、ペンタブで滑らかな線が引ける人であれば、確かに役立つソフトです。
私も持っていますよ、ペンタブ。

しかし、私はペンタブを穴だらけに魔改造していますので、もはや手元にはあるのはガラクタです。

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(一つ前の記事↑を参照)


持ってはいますが、使えない…。

ペンタブの形をしているだけで、決してペンタブとして使えない私にとっては、ハズレソフトを選んでしまったのです。

板前さんが刺身包丁ではなく、ノコギリを買ったようなものです。
侍ならムラマサが欲しいのは『ウィザードリィ』の常、竜王を倒すならロトの剣と相場が決まっています。
レベルを上げまくって、ひのきの棒で倒しに行くツワモノもいるでしょうが、そんなもんは金持ちの遊びみたいなものです。
スライム相手に苦戦している当時のしばにとって、ズタズタの最下位ペンタブ『Bamboo』で挑むなど、竜王ん家をノックする前に教会で叩き起こされるのは目に見えていました。

 

謎の修行ふたたび -職人芸への道ー

当時の私は、ソフト「D」の特性が他と違っていることを知りません。
そもそもレイヤー構造の上下関係は知っていても、ベクターやラスターの特性まで理解してませんでした。
お絵かきソフトとはそういうものだと思っていたのです。
さあ、始まりますよ。

「上手に描けないのはソフトのせいじゃない。自分の腕が未熟なだけだ」

新たな試行錯誤が始まりました。

「要するに、コンマ数ミリずつマウス移動させてはクリックを繰り返して書き続ければ、ペンタブと同じように描けるのではないか?」

一昔目のドット絵師でもやらないような結論に辿り着きます。
スキャナーで読み取った下絵にレイヤーを重ねて、様々な筆のペイント機能を使ってはマウスで緻密に描いていく…。

もはや職人芸を超えて、曲芸の域です。

方眼紙を用意し、マウスの先端に赤いポインターを自作して取り付けました。
そのポインターの位置をたまに見ては、移動した距離を1ミリ以下の単位でクリックを繰り返してゆく…。

当然、ベクターレイヤーではないので、描いた線を移動させたり変形させるパスツール機能はありません。
一発描きが基本です。
筆からマウスに持ち替えた日本画家になった気分です。

もちろん、Ctrl+Zで戻ることはできますが、修正ができない以上、Ctrl+Zで描いては戻り、戻っては描く…。
カチカチカチ…。

マウス音だけが不毛に響く時間を過ごすこと数日間。
そうしてできたのは、およそ人に見せられないようなサイケデリックなもの。
イメージしていたものとは似ても似つかない、見るも無残な「何か」でした。
時間をかけて得たものは虚無感だけです。

「違う。なんか違う!」

何が違うのか。
どこで間違ったのか。
誰でもいいので教えてほしいと心の底から願いながら、ひたすら画面に向かい続けた若かりし頃のしばでした。

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最下位ペンタブの導入

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自慢じゃありませんが、私はこれまで常にワーキングプアでした。
自宅にある唯一の文明の利器と言えばパソコンです。
これにペンタブを導入する事を決意しました。

パソコンの販売員になるずっと前のことですから、何の知識もありません。

家電量販店に「絵描きコーナー」っぽいもんがあって、オススメされているものがあれば描けるのだろうくらいに考えていたのは事実です。

しつこいようですが、知識もなければお金もないので、『Bamboo』という、当時の最下位モデルであり、一番安いペンタブを購入してみました。

線を引いて瞬間に愕然とします。

滑らかな線を引きたいだけなのに、ペンを走らせるとカクつくのです。
ただ線を引くだけですよ?

筆圧感知レベルが低い時代の製品ですから、特に安価モデルでは「かなりゆっくり」描かないと思ったように描けませんでした。

「なにがバンブーじゃ! 竹ペンの方がよっぽど使いやすいわ!」

正直な感想です。

 

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かといって、当時の上位クラスである『intuos』を買う気にはなりませんでした。
金額以前に、はっきりとした理由があります。
ペンタブに移行したばかりの人には「あるある」なのですが…

自分のペン先がどこにあるのかわからないYO!

という状態に陥るのは確実です。
本当に分からないのです。
言うなれば、マウスポインタを常に見失っている状態ですよ。 f:id:shiba-kaito:20180919012724j:plain

 

竹は進化しています

今にして思えば、配置も良くありませんでした。
原始的にPCモニターの近くにペンタブを持っていき、周辺視野で手元のペンの動きを確認しながら脳内同期をさせれば良かったのですが…それは今だから言えることです。

ってか、そこまでしないと使えないインターフェースなんて、ユーザビリティを真っ向から無視していますよね。

当時の私は全く分からず、頭を抱えていました。

Bambooシリーズの上位モデルに変えたところで、この壁を乗り越えられない以上、アナログと同じようには描けませんので、意義を見出せませんでした。

で、また、そんな人用に液晶ペンタブレットも売っているのがニクイところです。
売っていましたとも、ええ。
『Bamboo』の10倍くらいの値段で12.1インチモデルがね…。

当然ですが、パソコンをもう一台買えるお金などありません。
ここから地獄の試行錯誤が始まります。

※現在のBambooシリーズはintuosシリーズに代わられた良質モデルです。
筆圧感知レベルも大幅に向上しているので使いやすくなっています。
近年、買われた方はご安心してお使い下さい。

 

謎の修行

ゆっくり描けば良いのは腕でカバーする。
ってか、意地でも慣れる!

問題は、どうやれば手元のペン先がどこにあるのかを把握できるようになるか。
単に自分の能力が足りないだけなのか?
だとすれば、どの能力を鍛えれば良いのか?

画面と手元を往復する速度を速めれば良いのかもしれません。
上下の視点移動を早くするとか。
ボクサーは素早い視点移動が常人よりも優れていると聞いたことがありました。

そうか。


<視点移動の早い人だけが、ペンタブでデジ絵を描ける選ばれし者なのか>

 

ボクサーだ。
ボクサーになれ、俺!

A点からB点への視野移動を早めるため、部屋に幾つもの点を並べました。
謎の修行に明け暮れます。

しかし、どんなに頑張っても一向にペンタブを使えるようにはなりません。
ボクサーどころか、一昔前の宇宙飛行士並みに正確な視点変更を体得しつつあるのに。

「なんか違う」

絵描きが皆して、こんな修行を行っているとは思えません。
そもそも、あんまりペンタブに触っていません。

己のおバカに気付くまで、けっこうな年月を要しました。

 

ペンタブ使用に必要なのは肉体改造?

ペンタブは設定で、画面の絶対比を決めることができます。
「PC画面の右端はペンタブの右端」となり、左端も同様にペンタブでも左端なのです。

ということは…。

そもそも視点を移動させるのではなく、手元を見ないで描けるようになれば良いのでは!?
逆転の発想でした。

ふっ…。
古今東西、偉人と呼ばれる人は必ず、この逆転の発想から偉大な発明の着想を得ているじゃありませんか。
ついに私も仲間入りですよ。

そうです。
「暗闇でも物体の位置を把握できる心眼を得る」

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これさえ出来れば、ペンタブなんぞなんぼのもんじゃい。
さあ、レッツ瞑想。

とか始めたら、完全に迷走しているわけですが、さすがにそこは学びました。
瞑想だけに…なんつって。

一応、断言しておきますね。

 

<絵描きは謎の修行で肉体改造しなくて良い>

 

ペンタブに細かい傷を付けてみる

さて、どうせ使えないペンタブです。
捨てる覚悟をして、カッターで表面に細かい点を並べ、傷(しるし)をつけていきました。

その傷の大小や、右端からの数を身体に覚えこませてしまえば、点字を判別して読めるように、ペン先の位置を把握できるのではないか。
そう思い、さっそく挑戦してみました。

ところが、ここで先の修行が仇となります。
手元を見る速度が上がっていただけに、どうしても見てしまいます。
一瞬で、視点変更されます。

しかも傷つけてしまった分、線を引く時にいちいち傷にぶつかってしまい、描けたもんじゃありませんでした。

「違う、これも違う。おまけに何が違っているのかも分からない」

使えなくなってしまったペンタブを捨てて、アナログに戻ろうよ。
内なる誘惑と戦いながら、日々が過ぎていきました。

 

まともに描けるようになるまで、まだまだ長い道のりがありました。

 

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